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染色体異常の原因や流産、ダウン症との関係とは

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コラム監修医師
CGLメディカルアドバイザー

マークW.サリー博士
Mark W. Surrey, M.D.

UCLA Clinical Professor

生殖内分泌学者

不妊治療専門医

UCLA医療センターで研修医として勤務後、ロンドン大学、ハマースミス病院で生殖内分泌学および不妊治療の研究に携わり、ロンドン大学とメルボルンのモナッシュ大学で着床前診断の研究を行ってきました。 米国の主要な学会であるAmerican Association of Gynecologic Laparoscopists(AAGL)、 Pacific Coast Reproductive Societyで会長を務めた経験もあり、“Best Doctors in America“のTOP100人の一人に選出されています。

多才な実績はロサンゼルスタイムズやCNN、Fox、CBS、ABC、NBCなど多くのメディアで紹介されています。

妊娠や出産を考える人なら気になる、赤ちゃんの染色体異常や流産の可能性ですが、染色体異常とは、どのような原因で生じるのでしょうか?また、流産やダウン症との関連など、あいまいになってしまいがちな情報をわかりやすくお伝えしていきます。

流産のリスクは加齢とともに増加する?妊娠と染色体異常の関係を知ろう

流産が起こる確率は、平均すると約15%といわれています。妊婦さん10人のうち1.5人が流産になるという数字になりますが、母体の加齢によってリスクは高まっていきます。40歳代では、流産する確率が40%以上というデータもあります。

 

流産となる原因として多くを占めるものは、胎児の染色体異常です。流産した胎児の約7割には染色体異常があり、特に染色体の数に関する異常が原因となって流産が生じると考えられています。残りの3割には染色体異常がなく、甲状腺機能の低下、子宮奇形など母体に原因があるといわれています。

 

また、“ダウン症”という病気の名前はよく耳にするものですが、こちらも染色体異常の一つが原因となって発症する病気です。母体の年齢が上がると流産の確率が上昇するように、ダウン症に関しても加齢は大きな要因であることがわかっています。

 

このように、母体の加齢は染色体異常を引き起こすリスクを高める要因であり、流産やダウン症につながる確率が上昇すると認識しておきましょう。

 

流産にはいろいろな種類がある?不妊症や不育症との違いや対策は?

流産とは、妊娠22週未満でお腹の赤ちゃんが亡くなってしまうことをいいます。流産にはいくつかの種類があり、それぞれに名前がついています。

 

流産の種類とは

赤ちゃんは亡くなっているものの、出血や腹痛などの自覚症状がなく、病院の検査で初めて確認される場合は“稽留(けいりゅう)流産”といいます。子宮が収縮し始めて、赤ちゃんが出てきている場合は“進行流産”と呼びます。

 

これ以外にも、子宮内の胎児や胎嚢がすべて出る“完全流産”、すべては出ずに子宮の中に残っている“不全流産”などがあります。赤ちゃんが子宮にとどまっており、流産の手前の状態にあるときは“切迫流産”といいますが、このケースでは必ずしも流産するとは限りません。

 

流産が生じる時期の違い

流産は、妊娠22週未満に生じますが、これは妊娠5ヶ月頃にあたり、妊婦さんのお腹が出てくる時期になります。妊娠12週未満に生じる場合を「早期流産」といい、12〜22週未満に生じる場合を「後期流産」といいます。早期流産は全妊娠の13〜14%、後期流産は全妊娠の1〜2%を占めるとされています。

 

また、早期流産の多くは胎児側に原因があるのに対し、後期流産では母体側の要因が大きいといわれています。早期流産では出血を伴いますが、失血死することはなく、痛みの程度には個人差があります。後期流産の場合は、正常分娩に近い流れとなり、出血や陣痛を伴い、破水のあとで赤ちゃんの娩出を行います。

 

流産の中では、早期流産が占める割合が約9割とされており、ほとんどが妊娠後の早い時期に生じるものとなります。

 

不妊症や不育症との違い

流産との違いがわかりにくい言葉として、“不育症”や“不妊症”といったものが挙げられます。不育症とは、流産や死産を繰り返してしまう状態を指します。一般的には2回以上流産や死産を繰り返した場合に不育症とし、検査や治療を行っています。

不妊症とは一定期間に渡って性交をしても妊娠しないことを指しますが、臨床では1年間という基準で診断が行われています。

 

不妊症の原因は、女性側の卵管や子宮に関わる要因もあれば、男性側の勃起障害や精子形成に関する異常など、実にさまざまです。一方、不育症に関しても子宮形態や内分泌の異常などの多様なリスク因子がありますが、染色体異常によって流産を繰り返してしまう可能性もあります。

 

染色体異常による流産を減らすには、着床前診断が有効?

授かった赤ちゃんを流産してしまうと、心理的にも大きなショックを受けてしまいます。さらに、繰り返しの流産が原因となって子宮が傷つくことで、子宮癒着が起きる可能性が高まります。また、子宮癒着が起きると不妊や流産、分娩時の大出血といったリスクが高くなるなど、いろいろな問題が生じてしまいます。

 

染色体異常による流産を防ぐには?

受精卵の染色体異常によって生じる流産を防ぐためには、できるだけ早いタイミングで妊娠や出産を計画することも大切です。女性の年齢が上がるにつれて、染色体異常のリスクは高まっていくためです。

 

ただ、女性の社会進出が進み、キャリアを大切にする方も増えてきたため、晩婚化が起きていることは事実です。結婚、妊娠、出産などのライフイベントを、どのタイミングで人生に組み込むかによっても、流産の可能性は変わってきます。子供を授かることを希望している場合、30代、40代と年を重ねることによって妊娠や出産児のリスクが上がることを念頭に置きながら、人生設計を考えてみると良いでしょう。

 

受精卵の段階で染色体異常を調べる「着床前診断」

心身の負担となってしまう流産を減らすためには、着床前診断を受けるという選択肢もあります。これは、受精卵の段階で遺伝子や染色体の異常を調べる手法です。

 

体外受精で得た受精卵の異常を調べ、異常が確認されなかった受精卵を子宮に戻し、着床を目指す検査となります。

 

着床前診断には、着床前単一遺伝子疾患検査 (PGT-M) と着床前染色体構造異常検査(PGT-SR)、着床前胚染色体異数性検査 (PGT-A)がありますが、このうちPGT-Aでは染色体異常について調べることになります。染色体異常に起因する流産の予防に貢献してくれるというメリットがあります。

 

染色体異常のある受精卵では、そもそも着床しにくいという特徴がありますが、検査を行うことで着床率の向上にもつながります。

 

体外受精は不妊治療の中で選択されることがありますが、治療を受けたとしても、受精卵が必ず着床するわけではありません。そして、流産の可能性もあります。不妊治療を行う中で体外受精を受ける場合、同時に着床前診断を受けることも検討してみても良いかもしれません。

 

CGL着床前診断プログラムの特徴とメリットについて

着床前診断で染色体異常を調べ、流産の可能性を下げたいとお考えの場合は、どの機関で検査を受けるのかを考える必要があります。日本の着床前診断では、学会が定めた条件があり、2回以上胚移植に成功していない「反復ART不成功」、2回以上流産を経験している「反復流産」、ご夫婦のどちらかに「均衡型転座」のある(流産経験は問われません)方のみが対象となります。検査を受けるには学会の承認が必要で、検査項目にも学会の指定制限があります。しかし、株式会社Cell and Genetic Laboratory(CGL)という会社の着床前診断プログラムは、より自由度の高いものとなっています。

 

CGLの着床前診断を受けるには、日本国内の医療機関で体外受精を行い、その受精卵を調べることになります。実際の検査は豊富な実績を誇る米国の研究所で行われます。

 

受精卵そのものを送る方法と、受精卵の細胞の一部から取り出したDNAのみを輸送する方法が選択できます。プログラムには受精卵やDNAの海外輸送という過程も含まれますが、海外に渡航する必要がないという点で、負担の少ない内容となっています。

 

流産の原因の多くは染色体異常とされています。今ある技術を活用して、流産が起きる可能性をできるだけ減らしたいとお考えの場合は、着床前診断を検討してみてはいかがでしょうか?

※本コラムは掲載日時点での情報です。検査名称、検査機関、価格等については変更となる恐れがあります。 最新の情報はHP等でお確かめください。

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