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着床前診断でわかる正常卵の割合とは?

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コラム監修医師
CGLメディカルアドバイザー

マークW.サリー博士
Mark W. Surrey, M.D.

UCLA Clinical Professor

生殖内分泌学者

不妊治療専門医

UCLA医療センターで研修医として勤務後、ロンドン大学、ハマースミス病院で生殖内分泌学および不妊治療の研究に携わり、ロンドン大学とメルボルンのモナッシュ大学で着床前診断の研究を行ってきました。 米国の主要な学会であるAmerican Association of Gynecologic Laparoscopists(AAGL)、 Pacific Coast Reproductive Societyで会長を務めた経験もあり、“Best Doctors in America“のTOP100人の一人に選出されています。

多才な実績はロサンゼルスタイムズやCNN、Fox、CBS、ABC、NBCなど多くのメディアで紹介されています。

年齢とともに、正常卵の割合は減少するのでしょうか?高齢出産を予定している方にとっては、重要なテーマの一つといえるでしょう。今回は、年齢によって変化する正常卵の割合や、着床前診断を受けるメリットについて解説していきます。

着床前診断とはどのようなもの?

着床前診断では、受精卵に染色体異常がないかを妊娠が成立する前に調べることができます。染色体異常のある受精卵の多くは着床に至らず、妊娠したとしても流産につながりやすいといわれています。

 

正常な染色体の受精卵だけを子宮に戻すことで、着床率を上げ、流産を減らせると考えられています。これが着床前診断を実施する大きな目的の一つなのです。

 

特に、染色体異常の発生率は、母体の年齢とともに上昇していくことが明らかになっています。正常卵の割合が減少するのは、卵子の老化といった要因が影響するためといわれています。

 

高齢出産の方では正常卵の割合が減少するため、着床しにくくなったり、赤ちゃんに染色体異常が生じるリスクが高まったりします。

 

高齢出産を予定している方や、夫婦の一方または双方が遺伝性疾患の遺伝子を保有している場合に着床前診断を受けると、流産や遺伝性疾患のリスクを減らせることになります。

 

着床前診断を受ける前に正常卵の割合を推測

染色体異常のない正常卵の割合は、女性の年齢が高くなればなるほど少なくなります。30代前半の場合は約60%が正常卵ですが、30代後半になると約30~40%に減少します。40代になると正常卵の割合はさらに低くなり、20%以下になるとされています。

 

同じ40代でも年齢によって正常卵の割合は異なり、43歳では約13%になるといわれています。残りの87%に何らかの染色体異常があることになり、それだけ着床しにくかったり、赤ちゃんに異常が生じやすくなったりします。

 

着床前診断を受ける前に、ご自身の年齢から正常卵の割合はどれくらいになるのか推測してみると良いでしょう。着床前診断を受けるかどうかを検討するときに、一つの判断材料となります。

 

体外受精や顕微授精で得た受精卵でも着床しないことがある?

体外受精の基本的な流れとして、まずは卵巣を刺激して排卵を誘発させます。排卵日の直前に、卵子を採取して体外に取り出します。取り出した卵子は培養液の中で培養しますが、同じ日に精液を採取し、受精のための準備を行います。

 

体外受精では、シャーレの中で卵子と精子を一緒にして、受精するのを待ちます。運動性の高い精子を選んで受精を試みますが、精子の状態によっては、顕微授精を選択します。顕微授精の場合は、精子の状態や形態を顕微鏡で観察して、卵子に注入させる点で違いがあります。

 

体外受精や顕微授精で得た受精卵は細胞分裂をして「胚」になります。そして、胚はさらに培養すると「胚盤胞」という状態になり、着床する寸前の状態になります。すべての受精卵が胚盤胞に至ることができるわけではなく、胚盤胞になるのは約40〜50%といわれています。胚よりも胚盤胞の方が妊娠の可能性が高いかどうかを判断しやすくなるとされています。

 

胚盤胞は、見た目の良いものから選んで移植を試みますが、それだけで染色体異常があるかどうかを判断することはできません。染色体異常があれば着床しにくいということになるため、体外受精や顕微授精で見た目から正常と思われる受精卵を選ぶだけでは、必ず成功するわけではありません。

 

体外受精や顕微授精の際に選別した受精卵でも、着床しないことは珍しくありません。

 

正常卵の割合が心配な方が知っておきたい着床前診断のメリット

着床前診断では、近いうちに妊娠や出産を視野に入れている方はもちろんのこと、受精卵を凍結保存しておき、将来必要になったときに使うという方法もあります。2人目、3人目の子供がほしくなったときのために、できるだけ年齢が若いうちに受精卵を保存しておくのです。

 

また、着床前診断では受精卵の段階で異常を調べるため、妊娠してから検査を行う「出生前診断」とは違う利点があります。

 

出生前診断としてよく知られる検査の一つには羊水検査がありますが、母体に針を指す必要があるために負担が大きくなり、場合によっては流産につながる可能性もゼロではありません。

 

着床前診断では、羊水検査など負担のかかる検査の回避につながることがメリットといえます(※着床前診断を受けても、必ず羊水検査を回避できるわけではありません)。

 

さらに、妊娠後に行う検査では、結果を受けて妊娠を継続するかどうか悩んでしまうご夫婦もいます。授かった子供を出産したい気持ちが大きくても、やむを得ない理由から妊娠を継続しないという判断をする方もいるのです。それに対して着床前診断では、妊娠の継続をやめるというつらい判断をしなくて済みます。

 

着床前診断は、正常卵の割合が減る年齢になって不安を感じている方のほか、妊娠中のリスクを減らしたいと考える方にも選ばれることがあります。

 

CGLの着床前診断とは

日本では、着床前診断を受けたい方が受けられる仕組みにはなっておらず、制限を多く伴います。国内では臨床研究が行われていますが、2回以上胚移植に成功していない「反復ART不成功」、2回以上流産を経験している「反復流産」、ご夫婦のどちらかに「均衡型転座」のある(流産経験は問われません)方が対象となっているのです。

 

しかし、日本国内にいながらにして受けることができる着床前診断も存在します。株式会社Cell and Genetic Laboratory(CGL)という会社の着床前診断では、日本国内の医療機関で体外受精を行い、得られた受精卵を米国の検査機関に輸送します。こうした仕組みによって、日本でも着床前診断を受けることが可能となっています。

 

受精卵の検査を行うのは米国の機関で、豊富な実績を有し、最新技術のNGS法での着床前診断を実施しています。受精卵そのものを送ることもできますが、細胞の一部だけを輸送することも可能です。

 

着床前診断のうち、「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」では、染色体の異数性について検査を行い、流産を減らし、着床率を上げることを目的としています。異数性とは、本来の染色体の数よりも、多くなったり少なくなったりすることです。この検査によって、体外受精で得た胚盤胞の移植をした場合、着床率が28%から70%以上に増加したとされています。

 

不妊治療を行うときに、受精卵が着床しなければ、繰り返し治療を受けることになるため負担となってしまいます。着床率が高まることは、不妊治療の負担を軽減するという意味でも恩恵があります。

 

さらに、この着床前診断は男女の産み分けを目的とする方も利用できます。受精卵を調べる時点で性別もわかるため、希望の性別の赤ちゃんが生まれる受精卵で着床すれば、ほぼ確実(統計上98%以上と言われています)に産み分けもできるのです。家庭でできる産み分け法には確かな方法がないため、希望の性別の赤ちゃんを授かりたい方も検討してみると良いでしょう。

 

正常卵の割合が減る年齢になって染色体異常のリスクに不安を抱えている方や、男女の産み分けをしたいとお考えの方は、CGLの着床前診断について詳しく調べてみてはいかがでしょうか?

※本コラムは掲載日時点での情報です。検査名称、検査機関、価格等については変更となる恐れがあります。 最新の情報はHP等でお確かめください。

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